北海道マガジン・カイに「古平町・火渡り」の記事が掲載されました

http://kai-hokkaido.com/feature_vol50_furubira/

北海道マガジン・カイの特集「北海道の民俗芸能」に、古平町の火渡りの記事が掲載されました。


北海道・後志管内の漁村では火渡り神事を執り行う地域がいくつかみられますが、
中でも古平町の神事は豪快さが見どころの一つです。

罪穢(つみけがれ)を忌火(いみび)で祓(はら)い、清めるためのもの。御神輿渡御は年に一度、御神輿に乗った氏神が社(やしろ)を出て氏子の人々の生活を直接見て回り、その巡行中の罪穢を清めてから再び社に戻る…という意味がある。そして、社が安全に罪穢れを祓えるように火渡りの先陣を切るのは、御輿行列を率いる天狗の役割だ。

北海道マガジン・カイー祭りの火を、もう一度。―古平町に伝わる「天狗の火渡り」―


海上渡御や陸上渡御が3日間かけて執り行われ、そのクライマックスに猿田彦が
数メートルの高さに燃え上がる篝火を悠々と渡っていきます。

この火渡りを見るために斎場となる公園には全町民集合!?と思うほど多くの人が集まってきて、
遠方からもカメラマンたちがベストショットを狙いに毎年やってきます。

神社からの特別なお許しで【ルポライター】の胸章をゲットし、
本来なら行列の関係者しか許されないギリギリ、最前列のさらに前で取材・撮影することができました!



社会構造が凄まじく変化する中で、伝統芸能の保存・運営は非常に難しくなってきています。
少子高齢化、地域からの人口流出などが顕著に現れていることから、
参加者・運営者双方の人員確保に加え、お金も手間もかかります。

そのような中でも、町を離れた人たちがこの祭りの時だけは必ず帰省するほど魅力のある祭りであること。
猿田彦は古平町で生まれた男の子たちのスーパースターであると胸を張って言い切れること。
伝統芸能が“文化資本”としての役割を体現している…思えた取材でした。

一方で古平町は、北海道5大民謡の一つといわれる「たら釣り節」の発祥地。
残念ながら町内で歌い手を繋いでいくことができなかった一面も持ち合わせています。
(現在は“踊り”に姿を変えて伝統芸能が続いています)

“祭り”と“歌”。伝統芸能というカテゴリーは同じかもしれませんが、
役割や立ち位置が少し異なるというのが取材を通して感じた印象でした。

祭りは“縦”と“線”の継承。歌は“横”と“点”の継承。

波及の仕方や定着方法にも、いろいろなパターンがあるという認識の下、
これらを文化資本として活用していくためにどのような行動、施策が打てるか。

地方が伝統芸能と向き合うべきテーマでもあるのではないでしょうか。